精神障がい者Webライターのフリーランスのススメ

「働いて報酬をもらう」あたりまえのことでも、障がい者にとっては自己肯定感をあげる特効薬だと思います。

【精神障がい者向け】元発注者が考える失敗しないフリーランスの始め方

精神障がい者フリーランスを勧める理由

私は精神障害者2級の手帳をもっており、実家で療養しながら、フリーランスのWebライターとして働いています。

 

もともとフリーランスになりたかったわけでなく、体やメンタルに負担をかけない働き方としてフリーランスを選択しました。もし病気がなかったら、会社員を続けたかったです。

昨今のフリーランスブームで健康な人が、理想とする生き方を実現するためにフリーランスを選択する姿に比べたら、とても後ろ向きな選択です。

 

しかし、実際にフリーランスとして働き始めると、体感的に会社員の時代の半分ぐらいしか疲れないことに気づきました。高校生まで使っていた学習机とベッドの間を往復をしながら、原稿を進めていくスタイルは私に合っていたのです。

 

「自分にに合っていたから、みんなにも合うはず」とまでは思っていませんが、精神障がい者フリーランスに興味のある人がいたらおすすめできると思い、この記事を書きました。

 

5000文字を超える記事なので、目次を参考に読みたいところだけ読んでくださいね。

精神障がい者フリーランスの働き方の相性はバツグン!

精神がい者にとって、満員電車の通勤や長時間労働のハードルはとても高いです。

 

フルリモート(完全在宅ワーク)・フルフレックス(勤務時間が固定されていない)で働けるフリーランスのお仕事なら、体調に合わせた柔軟なスケジュールを自分で組めるので、会社員よりストレスはかなり減ります。

フリーランスのメリットとデメリット

私の個人的な見解でメリット・デメリットを挙げます。

メリット
  • 最大の利点は、自由な働き方ができる
  • 自分のペースで仕事を進められるため、体調が不安定でも無理せず働ける
  • 通勤のストレスがなく、場所を選ばずに仕事ができる
  • 職場の騒音などの刺激がなくなるので、気疲れしにくい
  • ストレスを感じやすい対人関係を避けることができる
デメリット
  • 収入が不安定になりやすい
  • 社会保障が手薄
  • 仕事の話がなくなったり、契約が切れると落ち込む
  • 仕事を探し続けなければならないため焦る
  • ライバルが多く、条件のよい仕事は選考で落ちて当たり前の競争社会

 

フリーランス最大のデメリットは「収入が不安定になりやすい」ですが、障害年金を受給している場合は収入が多すぎると支給されなくなのるので、不安定でもほどほど稼げれば大丈夫だと思います。

また障害者手帳があれば、障害者福祉が受けられるので、健康な人より社会保障の恩恵を受けることができます。

 

問題は働き続けるための体調・メンタル管理です。

ストレスが少なくても、不調な時期はやってきます。

その時期に備えて、体調のよいときにスケジュール前倒しでお仕事を片付けておいたり、案件の量をセーブしたり、事前の対策を考えておく必要があります。

精神障がい者におすすめしたい職種・Webライター

フリーランスを目指す人の間では、WebデザイナープログラマーSNSマーケターが人気なイメージがあります。

これらは1案件の報酬が月数万〜数十万円以上するので、目指す人が多いのも納得ですね。

 

対して、Webライターは1記事の報酬が高くて数万円です。

文字単価は、未経験だと1文字1円未満を覚悟しなければなりません。未経験から始めて1〜2円の案件がとれるようになったら、すごいです。自分で自分を褒めてあげるべきレベルですよ。

 

ほかに比べて報酬が高額ではない職種をなぜおすすめしたいのか、Webライターの魅力をご紹介します。

ほかの職種と比べて敷居が低いWebライターの魅力

あなたが本を読むことが好きで、文章を書くことが苦にならない人なら、絶対にWebライターをおすすめします。

極端な言い方をすれば、日本語で文章が書ける人なら誰でもすぐ始められる敷居の低さは、ほかの職種を圧倒しているからです。

ほかの職種にはないWebライターならではのメリット
  • 仕事道具がMicrosolt OfficeのWordが入ったパソコンのみ
  • パソコンのスペックが低くてもよいため、数万円の初期投資で済む
  • 小休憩を挟みながら記事を書き進められる
  • 推敲(何度もチェックすること)するため、一気に完成させる必要がない
  • 養われた言語化スキルや文章力が、ほかの職種に活かせる

 

体調・メンタルの波に気をつけながら、自分のペースでお仕事ができることが最大の利点です。

落ち着く場所を選んで執筆に集中することもできます。

 

SEO対策やら、セールスライティングやら、Webライターにも応用スキルが存在しますが、ちゃんとした文章を書ける力さえあれば、特別なスキルや知識がなくとも、お仕事をもらうことは可能です。

Webライターのお仕事を始めるなら、ブログを始めよう

「Webライターを始めるなら、まずはクラウドソーシングに登録して案件に登録しましょう!」

 

とよく言われます。

行動力は大切ですが、外注する側としては応募してきた人がきちんとした文章を書く人なのか、知りたいところです。

 

ですから、クラウドソーシングでもポートフォリオ(過去の作品集)の提出が求められることがほとんどです。

しかし、ビギナーさんはポートフォリオに載せる実績がありません。

 

そこで、フリーランス活動と並行して始めてほしいのが、WordPressを使ったブログ運営です。

なぜWordPressのブログなのかというと、理由は3つあります。

 

  • WordPressの入稿作業ができる証明になる
  • GoogleAnalytics4の見方が身に付く
  • 文章力のアピールになる

 

特に入稿作業は、お仕事の内容に含まれていることが少なくないため、WordPressの基本操作ができると、応募できる案件の幅が広がります。

 

もし、特化型ライターになりたいなら、その分野について記事を書いていく特化ブログを運営することをおすすめします。

例えば、美容ライターになりたいなら、化粧品の特化ブログを運営するとよいでしょう。

文字単価よりも文字数を気にすべき

初めは報酬の金額は気にせず、文字数が数百文字の案件に応募するようにしてください。無理せず執筆できるラインの文字数を見極めて、単価よりも文字数で案件を選ぶべきです。

文章を書くことに慣れてきたら、文字数のハードルを上げていきましょう。

 

私もフリーランスデビューのときは1500〜2000文字くらいのお仕事しか応募していませんでした。現在も、3000文字以上書く案件には応募していません。ハードルが高く感じるからです。

 

無理をしない案件選びも、体調・メンタル管理につながります。

フリーランスとして働くための土台づくり

生活リズムの安定化

フリーランスは本来、自分の好きな時間帯に働けます。しかし、発注元である会社員の人が働いている時間帯に働いていることが望ましいです。

なぜなら、フリーランスにお仕事を外注しているのは主に会社員なので、朝9時から夕方18時の間に連絡をとることが多いからです。

 

不眠や過眠の症状で、夜型または昼夜逆転している人はまず、生活リズムを整えましょう。9:00〜18:00の間ずっと働いている必要はありませんし、クライアントからの連絡に即返信しないといけないわけではありません。

 

フリーランスも社会人ですので、会社が稼働している時間と自分が稼働できる時間が重なっているように生活サイクルを調整していきましょう。

周りの人に頼りながら社会復帰を目指そう

フリーランスは完全在宅でお仕事が完結するため、孤独になりがちな働き方です。そのため、信頼できる相談相手が身近にいることが大切です。

 

主治医やカウンセラーさん、家族、友人、フリーランス仲間、インターネット上の仲間など、人とのコミュニケーションを楽しみ、困ったときに相談できる関係にしておきましょう。

税金や確定申告の知識

フリーランスにとって避けられないのが、税金に関する知識です。精神障がい者は、確定申告で障害者控除が受けられます。

 

フリーランス業に慣れたら、税理士さんに相談してみましょう。

 

「税理士に相談」というと敷居が高いと思われる人が多いですが、30分数千円でわかりやすくアドバイスをしてくれます。12月〜翌年3月は繁忙期のため、4〜11月に相談することをおすすめします。

 

税理士さんに相談しなくても確定申告はできますが、間違っていた内容を数年間申告し続けていて、ある日税務署から問い合わせがあった!というハプニングもあります。(税理士事務所パートの経験談

 

フリーランスをはじめた最初の年に、専門家から記帳のやり方や正しい知識を教えてもらうことで納税のトラブルを防ぐことができます。

フリーランスとして働くための具体的な3ステップ

スキルの習得と実践

Webライターとしていきなり活動するのは不安な人は、先輩ライターさんから学ぶという選択肢もあります。数十万円もするライター講座に入る必要はありません。数千円で十分です。

 

文章を書く仕事をするなら、文章を読んで学ぶことがベストな学習方法だと思います。

 

  • ライター向けのビジネス書
  • KindeUnlimitedで読める先輩ライターさんの著書

 

数十万円のセミナーや情報商材は、安定してお仕事を獲得している上でレベルアップしたいと考えるようになった段階で検討するべきだと思います。

数万円ならまだしも、数十万円もする初心者向けのライター講座は、入る必要性がありません。

案件の探し方のコツ

案件を探すときは、4タイプのサイトをチェックするようにしています。

 

 

ビギナーさんにおすすめなのが、求人サイトです。

 

クラウドソーシングがよくビギナー向けとして紹介されますが、ほとんどの案件で激戦が繰り広げられているので、あまりおすすめしません。その割に、高い手数料が報酬から引かれます。

求人サイトは、未経験OKの案件もありますし、クラウドソーシングのように中抜きされるデメリットがありません。

 

履歴書と職務経歴書を提出しないといけないのが手間ですが、一度作ってしまえば自己PRの箇所を書き換えるだけで使い回せます。

収入の安定化よりもクライアントとの信頼関係の構築

フリーランスとしての収入を安定させるためには、複数のクライアントと契約して、案件がなくなるリスクを分散させる方法が一般的です。

しかし、精神障害者の人がたくさんの案件を抱えると、体調・メンタルが不調となったときにパンクしてしまうリスクが一番怖いです。私も一番気をつけていることです。

 

ビギナーさんはまず一つのクライアントから信頼を得られるように、締め切りを守って納品することを継続しましょう。

 

よく「フリーランスだと人間関係が楽」と言われます。しかし実態は、フリーランスは会社員よりも弱い立場なので、クライアントとの関係には細心の注意を払う必要があります。

クライアントに「なんか嫌いかも」と思われただけで、次のお仕事がなくなるかもしれません。

 

決して「人間関係が楽」ではない世界です。

精神障害者であることをオープンにすべきか

フリーランスとして業務委託契約をクライアントと結ぶとき、障害があることをオープンにすべきかという点について、個人的な見解を述べます。

 

私は、クローズで活動すべきだと思います。

 

なぜなら、業務委託の求人というのは外部の即戦力を求めているということです。そして、クライアントにとって一番迷惑なのは締め切りを守れないことではなく、完全にバックれて連絡がつかなくなることです。

精神障がい者だというだけで、「バックれそう」という偏見をもたれ、採用候補から外されてしまう可能性があります。

 

オープンで働けないとなると、自律できるまで回復しておく必要があります。

 

  • 体調・メンタル管理をしっかりする
  • 案件を増やしすぎない
  • 服薬を忘れない
  • 日中に活動して夜は寝る
  • 人とおしゃべりする
  • おいしく食事をとる
  • 好きな運動を見つける

 

上記のことをクリアできれば、少しずつフリーランスとして活動を始めてみてもよいと思います。

 

会社員には会社員の働く喜びがありますが、フリーランスにもまた違った喜びがあります。

私の場合、会社ではなく自分個人に案件を任されたという喜びです。

契約がとれたときに自分が認められたような感覚で自信がちょっとつきます。

 

この記事を読んでくださった読者様も、「フリーランスの喜び」を見つけられることを応援しております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

フリーランスについて知りたいこと、記事にまとめてほしいことがあれば、コメントでリクエストしてください。お待ちしております!

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